イラク:各地におけるテロ事件の発生
1.イラクに対してはこれまでも、危険情報において、「退避を勧告します。渡航は延期して下さい」を発出しており、スポット情報において、累次にわたりこの「退避勧告」及びテロや誘拐の脅威について注意を促しています。同国への渡航は、どのような目的であれ絶対見合わせることを、また、既にイラクに滞在されている方は、十分な警備措置を講じた上で、直ちに同国から退避されることを改めて強く勧告します。
2.このような中、6月26日(現地時間)カタールの衛星テレビ局アル・ジャジーラは、アル・カーイダの幹部と言われるザルカーウィー率いる集団「神の唯一性(タウヒード)と聖戦(ジハード)」がイラクで働くトルコ人労働者3人を人質にとったとするビデオを放送しました。このビデオの中で武装勢力は、イラクで占領軍に協力している全てのトルコ企業が72時間以内にイラクから撤収しなければ、同人質を殺害するとしています。また、6月27日(現地時間)アラブ首長国連邦ドバイの衛星テレビ局アル・アラビーヤは、イラクでパキスタン人1人を人質に捕ったとする武装集団からのビデオを放送し、同集団はビデオの中で、イラクで米軍に拘留されている囚人らがビデオ放送から3日以内に釈放されなければ、人質を殺害するとしています。
3.また、6月26日夜(現地時間)バグダッド南方のヒッラの旧サッダーム・モスク付近で、自動車爆弾が爆発し、23人が死亡、58人が死亡しました(死傷者数は報道による)。また、同日午前、イラク北部の都市アルビルで自動車爆弾が爆発し、クルド民主党の幹部マハムド・ムハンマド氏を含む11人が負傷、護衛のうち1人が死亡しました。
4.6月27日午後(現地時間)バグダッド国際空港を飛び立ったオーストラリア軍輸送機が、離陸直後に地上から攻撃を受け、その際負傷した米国防総省が契約した米国人1人がその後死亡しました。
5.イラクにおいては、イラク暫定政府への統治権限移譲に際しテロ・誘拐事件が多発しており、今後とも、イラクの安定・復興の妨害を狙った様々なテロ事件や外国人を標的とした襲撃・誘拐等が行われることも懸念されます。
出所:外務省渡航情報(スポット)