1.在バングラデシュ日本国大使館によると、2004年はバングラデシュにおいてデング熱が流行しており、6月下旬にはダッカ市内でも感染者が出ています。また、6月30日付New Age紙によると、ダッカ・デング熱対策室は今季(2004年夏)までに114人がデング熱に感染し、うち62人が現在も治療中であると報告したと報じています。
2.デング熱は蚊に刺されることによって感染するウイルス性疾患ですので、蚊に刺されないようにすることが唯一の予防方法ですが、蚊が活発に活動する夏季にバングラデシュに渡航、滞在予定の方は以下の点に十分ご注意下さい。
(1)デング熱には予防接種も予防薬もなく、蚊に刺されないようにすることが唯一の予防方法です。媒介する蚊はネッタイシマカ、ヒトスジシマカなどで、これらの蚊は古タイヤや植木鉢などに貯まったごく小さな水たまりでも繁殖するため都市部でも多く見られます。皮膚の露出を減らすようにし、室内では蚊取り線香などを点ける、外出時は虫除けスプレーを数時間毎に塗るなどの予防措置をとって下さい。
(2)デング熱には特効薬がなく、一般に対症療法が行われます。多くの場合は感染しても5日ほどで解熱しますが、以下の症状が見られる場合はデング熱の可能性がありますので、必ず専門医の診察を受けるようにして下さい。
(a)高熱が続く
(b)次の症状のうち2つ以上の症状がある
・激しい頭痛
・目の奥の痛み
・筋肉痛、関節炎、背部痛
・血が止まりにくい、あるいは皮下や眼球結膜に出血
・吐き気、嘔吐、腹痛
(3)デング熱は感染しても軽症ですむ場合が多いのですが、時にデング出血熱という重篤な病気になることがあります。この場合は、鼻や歯ぐきからの出血や皮膚の出血斑等が突然現れ、血圧が下がってショック症状となり、適切な治療を受けないと致命的となります。この出血熱は解熱して2〜7日してから発症することが多いようですが、デング熱にかかった人がデング出血熱になるかどうかは事前に予測が出来ません。
出所:外務省渡航情報(スポット)