JICA - 国際協力機構


『JICA - 国際協力機構』
    → http://www.jica.go.jp/

 海外の様子や情報を伝える国内のサイトには様々なものがありますが、その中には公的機関により運営されるサイトも少なからず存在します。
今日はその中の一つ、国際協力機構(JICA)のサイトを紹介します。
 国際協力・海外援助に関わる方は勿論、海外のことに興味のある方なら、一度はJICA(ジャイカ)の名前を耳にしたことはあるのではないでしょうか?
 JICAの日本名はこれまで「国際協力事業団」でしたが、2003年10月1日から「国際協力機構」に名前を改め、同時にWebサイトのデザイン・構成も一新し新組織としてのスタートを切っています。

 では、JICAサイトのトップページからみてみましょう。トップページには、新しいJICAのロゴと日本語・英語へのリンクがあります。ここから日本語サイトのトップページに行くと「世界の現状を知る」「国際協力に参加する」「JICA早分かり」「みんなで学ぼう」の4つのメニューが先ず目につきます。

「世界の現状を知る」のコーナーの中には地域別のマップがあり、その中には国別の情報ページがあり、国別の生活情報(任国情報)、JICA事務所の連絡先等がまとめられています。国別の生活情報は、JICAの事務所がある第三世界の国々のものが主ですが、普段あまりまとまった情報を見かけることの少ない国々での生活に関する情報がまとめられていて重宝します。

また、この他にも「楽しみながら世界を知る」のコーナーには、世界の食卓・料理紹介や主要言語の挨拶などを紹介する「ミュージアム」や、JICA関係者の世界で見聞したことを伝える「世界こぼれ話」などがあり、世界の様子を親しみ易く紹介しています。「ブロードバンドTV」のコーナーでは「カンボジア」「キルギス」「バングラデッシュ」など各国の様子を5分程度でまとめたストリーミング放送をみることが出来ます。「世界の諸問題」のページの中には貧困・環境・平和構築など、JICAの現在取り組んでいる諸問題についての概要紹介が掲載されています。

 トップメニューの「国際協力に参加する」のコーナーの中には、個人が参加できる活動、団体で参加する国際協力活動など、タイプ別に協力参加の仕方が紹介されているほか、青年海外協力隊などの「JICAボランティアの紹介」やJICAの関連する全国イベント情報など、実際に国際協力活動に参加する際に参考になる情報が掲載されています。

 また「JICA早わかり」のコーナーには、動画によるJICAの紹介やJICAのパンフレット、「みんなで学ぼう」のコーナーには子供向けに国際協力を紹介する「クラスルーム」が開設されていて、全般として動画などを用いながら分かり易く国際協力やJICAの活動について紹介されています。

 この他に、トップページ下部には、JICAの組織案内・活動実績や調達情報など、実務関連の情報がまとめられています。

 

<サイト運営者Q&A>
サイトの運営・広報を担当されている、JICA広報課の苗村さんに話を伺いました。

Q.サイト開設目的・JICAサイトの役割を教えて下さい。

A.開設当初は、サイトの「お客様」があまり明確ではありませんでした。どちらかというと、各国に散らばるJICA関係者のために情報を共有するために開設していたといった方が良いかも知れません。
 ただ、今も昔も変わらないことは、世界のどこでもJICAの行っていることをエンドユーザーの方々に見ていただくという目的は変わりません。


Q.今回のJICAサイトのリニューアルは、どのようなことを念頭に行われましたか?

A.上記の質問では、サイト開設当初の「お客様」はどちらかというとJICA関係者が主でありましたが、今回は、JICA関係者よりもJICAをよくご存知ない方々に当サイトをご覧頂くことを念頭にリニューアルを行いました。
 エンドユーザーの方々が何の情報を求めておられるかという点について、検討を重ね、まだまだ情報量としては不足しておりますが、今の形に落ち着きました。
 また、「バリアフリー」という点にも注意を払ってリニューアルを行いました。音声読み上げソフトや、文字の拡大を行ってもフォームが崩れないように気をつけました。


Q.サイトで、よく使われているコンテンツ、読者の反応の多いページはどこですか?

A.やはり、JICAは人を通じた国際協力を行っているため、殆ど常時、何かしらの人材募集を行っています。人材募集については、読者の方々のクリックカウントは多いですね。
 また、10月1日に独立行政法人化を迎え、緒方貞子理事長がトップとなり、緒方のメッセージをサイトに掲載していますが、そのメッセージについてもかなり読者の方々の反応は多いです。


Q.サイトのPRポイントと、現在力を入れている企画・コンテンツを教えて下さい。

A.現在力を入れているコンテンツとしては、冒頭にもご紹介がありましたが、日本にいながら、世界(開発途上地域)が感じられるコンテンツを充実していきたいと考えています。また、JICA関係者の「生の声」を読者の方々にお伝えできるように頑張っていきたいと考えています。
 PRポイントとしては、当サイトは本当に様々なJICAの情報が満載されています。JICA事業の中で作成される報告書もできるだけ掲載していきたいと考えています。特に、開発途上地域にご興味を持っておられる、学生さん達には宝の山ではないでしょうか。


Q.サイトの運営にあたり、苦労している点はどのようなことですか?

A.一度、当サイトをご覧になっていただければ分かると思いますが、本当にページ数(情報量)が多く、リニューアルも行ったところですので、サイトの導線が混乱している状態です。できるだけ早く、読者の方々が必要としている情報を取り出しやすいサイト
にしていきたいと考えています。
 また、前述しましたが、JICAのことを良くご存知無い方々、ちょっとした、海外の情報を必要としている方々に、より良い情報をできるだけ新しい状態で提供できるようなサイトにしていきたいと考えています。


Q.「これからやってみたいな」と、今後の展開について考えられている事がありましたらお聞かせ下さい。

A.まずは、今のサイトをいち早く、整理しなおしたいと考えています。もし、できることならば、国際協力といえばJICAのサイト、開発途上国といえばJICAのサイトといわれるようなサイトにしていきたいと考えています。


Q.その他に、読者の方にお伝えしたいメッセージ等がございましたらお聞かせ下さい。

A.10月1日にとりあえずのリニューアルを行いましたが、未だ、旧サイトと新サイトが交じり合っている状況ですが、これからも読者の方々が喜んでいただけるようなサイトを目指していきたいと考えていますので、これからもよろしくお願いいたします。
 また、お気づきになられたことがあれば、どんな些細なことでも結構ですので、当サイト宛にご忌憚のないご意見をお寄せください。こんな情報を提供したらよいとか、あんな企画はどうとか、こんな情報はいらないとか、何でも結構です。
 JICA自体もこれから、より良い国際協力を行っていけるよう、努力していく所存です。みなさまのご意見がよりよいJICAを創りますので、そちらもご意見をお聞かせください。よろしくお願いいたします。


<<感想・コメント>>
 リニューアルされたJICAのサイトは、以前と比べると初めての人でも
より親しみを持てるものになりました。「お客様」の重きを何に置くかで、
サイトのあり方がかなり変わるものだということを実感します。
これから更に、海外の生の情報が発信され、より多くの世界を感じられる
ようになることに期待したいと思います。(ayumi)

 『JICA - 国際協力機構』→ http://www.jica.go.jp/Index-j.html

※この記事の内容は、2003年10月中旬時点の情報を基に作成されています。






Date:  2003/10/23
Section: 海外之窗
The URL for this article is: http://www.worldnavi.net/modules/wfsection/article.php?articleid=39